小窓から
/☆Go Back☆/

東向きの窓から射し込む光は、灰色のシーツをキャンバスに見立てて鮮やかな明暗を描き出している。その光はじわじわと這うようにして、ベッドに沈む私の輪郭をゆっくりと確認していく。

最初に微睡みを破られたとき、私は腰のあたりに静かな温もりを感じた。つい一週間前までは暖房に縋っていたのが嘘のように感じられるほどに、春の熱気は狭い部屋の空間に満ちていた。それに耐えかねて、私は再び泥のような眠りへと逃げ込んだ。

次に目を覚ましたとき、光はすでに私の頬に触れ、太陽が南中に達したことを五月蝿く告げていた。四畳半には不似合いな小さな窓枠から、鋭角に切り込んでくる熱。それは、私が夢の続きを編み上げようとするのを容赦なく遮断する。

そうして、たった今まで何を夢想していたのかすら脳から溢れ落ちていった感覚に陥って、ここでようやく私の静かな敗北が決まるのだ。

腰から頬へ。光が這ったその距離から察すれば、ゆうに二時間は立っていただろうか。

それは長く、そしてあまりに一瞬の静かな敗北だった。