保管庫へ戻る

随筆

ありがとうの反作用

長年一人暮らしを続けていた彼にとって、ご飯が出来上がるのを待つ手持ち無沙汰な時間をどうやり過ごせばいいか、まだ分からないままであった。 同棲が始まって二週間。初めに二人で決めたルールで、彼女が晩御飯を作ってくれることになっていたが、彼は「彼女に負担が行き過ぎていないか」と早くも感じていた。

続きを読む

約束事は光の蔵へ

昔から、自分で課したことを守るのが苦手だった。 今日までに課題を終わらせるだとか明日からは毎日筋トレをするだとか。 思い立ってすぐの間は効力があって、空想を浮かべる間に高まった熱量が私を突き動かすけれど、次第に責任感を正しく感じることができなくなる。

続きを読む